ぎこちないことば

2024年12月22日

ことば


 ことばはただ物語に奉仕するだけのものなのか、それともことばが物語を牽引していくのか。物語を語るためのたんなる道具だとして、はたしてことばで十全に物語を表現できるのだろうか。饒舌なことばでなにかが語られているときこそ立ち止まるべきではないか。なにかを語ろうとするとき、ことばはすでに奪われている。それでもなにかを語ろうとするのなら、やせ細ったことばを鞭打ちながら、喉の奥から絞り出していくしかない。そのときことばは一見して無残な、ぎこちないものにしか見えないのではないか。


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