8mmカメラで撮影された80年代の沖縄の映像。当時沖縄の米軍基地に駐留していたアメリカ人が撮ったものである。カメラは車の中から外の風景をとらえているので、街の様子が手に取るようにわかる。建物の造りが現在とは明らかにちがうので通りの光景もどこか異なる場所に迷い込んだような気持ちを引き起こす。
コンクリート瓦の平屋や、無骨な雰囲気のコンクリート造りの家など、いまの瀟洒な造りの家から見ると隔世の感がある。その差は40年とはいえ(長いのか短いのか)、こうもめまぐるしく風景は変わるものなのか。節操がないとでもいうべきか、建築や街づくりに関しては、どうも私たちには一本筋の通った哲学がないように見える。
沖縄よどこへ行く、と詩人の山之口貘ではないが、そうこぼしたくもなる。