わたしの担う、わたし自身にも未知なるもの、それがわたしをわたしたらしめる。
わたしのもつ不器用な、不確かなところ、それこそがわたし自身だ。
わたしの弱さ、わたしの脆さ……
欠陥がわたしの出発の基礎なのだ。わたしの無能力がわたしの原点なのだ。
わたしの力はあなたから出てくる。わたしの動きはわたしの弱さからわたしの力へと向かう。
わたしの現実の窮乏が想像上の富を産む。そしてわたしは、こうした対称関係である。わたしは、わたしの欲望を無化する行為である。
(ヴァレリー『ムッシュー・テスト』清水徹訳)
ことばの形 ー崎浜慎 ブログ