ちょっとした怪我

2025年10月5日

 

 もともと手先が器用でないというのもあるかもしれないが、ちょっとした怪我ばかりしている。

実家に行くたびに老齢の親に代わり、掃除や、にわかの大工仕事をやっている。玄関の外天井にある換気口を覆うプラスチック板が朽ちて落ちたので、新たに板を打ち付けていると、誤って左手の人差し指をハンマーで叩いてしまった。幸い爪は剝がれなかったけれど、内出血し、爪の一部分が墨汁を垂らしたように黒く染まった。おもしろいのは、その斑点模様は爪が伸びるにしたがい上方へ移動していくこと。けっきょく、消えるのに数か月かかった。

 最近は、庭にある水道にホースを付けるときに指を傷つけたこと。まさかホースの装着ごときで怪我をするとはゆめゆめ思わなかった。ホースは直接蛇口にはめるものではなく、蛇口に装着しているプラスチックに取り付けてネジで閉め外れないようにするタイプである。ホースのゴムがだいぶ古びていて固くなり、うまくプラスチックの口に入らない。

力づくで押し込んでいると、手がすべり、もう一方のプラスチックの角が私の左手の人差し指に強く当たった。小さな傷だが血が滲んで止まらない。なんとかホースは装着できたが、それから終日気持ちが晴れない。

 えぐれた人差し指の第二関節部分は、曲げるたびに傷口が開き血が止まらない。私は初めて気づいたのだが、日常生活でこの第二関節をけっこう使うのだ。握ったり、物をつまんだり、力を入れたりするときに、たえまなく曲げている。両手で重い物を持ったとき、人差し指にはほとんど力が入っていないのだということにも気づく。

 人間の部位にムダな部分はないのかもしれないと、小さな怪我を代償に学んだのだった。

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