瞬間を注視すること

2023年4月2日


ある限定された瞬間―過去や未来から切り離された現在の一瞬―に自分を注視してみるならば、わたしたちは罪なき者である。そういう瞬間には、わたしたちは、あるがままの自分でしかありえない。すべての進歩には、ある持続期間が含まれている。この一瞬に、わたしたちがこのような者であるというのは、世界の秩序の中にある。

こんなふうに瞬間を切り離してみることには、ゆるしが含まれている。しかも、このように切り離すことが、執着から離れることである。

シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』田辺保訳


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