迷路

2026年4月1日


 初めて大学図書館に入ったのは、たぶん高校生のときだったと思うが、その広さと本の冊数に圧倒された。おどろいたのは、図書館の中で迷子になるという体験をしたことだ。

 あのうす暗く、迷路のように入り組んだ書架に抵抗のある人もいるかもしれない。図書館が近寄りがたいというイメージを抱いている人もけっこういるらしく、スティーブン・キングは、本を延滞した人が得体の知れぬものに追いかけられる、ひたすら怖い「図書館警察」という小説を書いている。

 だが、少しでも図書館の仕組みやルールを知れば、親しみを持てるのではないだろうか。たとえば、本は「日本十進分類法」にしたがって分野ごとに規則正しく並べられている。そのため、膨大な蔵書の中から時間をかけることなく目当ての本を探すことができる。

 また入手できない資料は他館から取り寄せることもできる。日本国内にある図書館同士のネットワークがあるからだ。図書館にいながらにして、お目当ての本や雑誌を他館から入手できるようになっている。

 さらには、近年ではカフェや子供用の居場所を併設している公共の図書館もある。そう考えるとうす暗く見える書架にも親しみが湧いてこないだろうか。図書館の迷路を抜けると、これまで見なかった大きな開けた場所へと通じる。図書館は、怖くない。

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