夜明け前にふと目を覚まして、いまうつらうつらと亡くなった人のことを思い返していたと気づく。その人と交わした会話、その人の身振り、その人の面影―きまって笑顔なのだ―が私の中でふくらんでいき、懐かしさに浸されていま会ったばかりの人のことを思い返す。
もちろん私もそれなりに年齢は重ねているのだから、身近な人を含めいろいろな人の死を見るのは当然であろう。亡くなった人たちは年とともに増え、一人ひとりの記憶が私の中に堆積していく。
その人たちを思い返すとき、寂しさに胸がうずきながらも、しかし私は独りではないのだと自覚するのである。