思い出してみよう。幼いころ、あなたにもお気に入りの絵本があったはずである(スイミー、かいじゅうたちのいるところ、ぐりとぐら…)。小学生のときはどうだったか。私自身は、仲の良かった友達が読んでいた影響もあり、伝記シリーズにのめり込んだ(エジソン、リンカーン、豊臣秀吉…いまとなっては、なぜ惹かれたのかわからないけれども)。今日は誰々の伝記を読んだ、と競い合う毎日だった。ゲーム機もスマホもない時代の話である。
こうして私たちは読むことの楽しみ、学ぶことの深みに目覚めていったのではないか。
ところが、である。全国学校図書館協議会の調査によると、一か月のうちに本をまったく読まない人の割合が高校生で55.8%となったことがわかった(2018年)。ちなみに小学生は8.1%、中学生は15.3%である。半数以上が本をまったく読まないという傾向は大学生まで続いている。
利用者の読書離れには各図書館とも頭を悩ませているだろう。即効的な解決策は見つからないかもしれないが、あの幼い頃に絵本を手にしたときのワクワク感を思い出すことができれば、そうだ本を読んでみようかという気になるのかもしれない。
「やれやれ ばんごはんに まにあった。」(『ロージーのおさんぽ』)