相変わらず暑熱の毎日がつづいている。わずかの時間、外を歩くだけでも熱でからだが溶けてしまいそうで、用事があっても外出をためらってしまう。やわな肌に、刺すような太陽の光を浴びることを恐れる。まるで吸血鬼になった気分だ。
ところがここ最近、朝起きて窓を開けると熱い空気の底にかすかに冷気を感じる。太陽が昇りつつあり、今日一日がまちがいなく酷暑になることを予感させる空気のなかにも、やがて来るだろう秋の気配を――それはだいぶ先のことなのだが――しのばせて、地球は緩慢とながらも確実に自転しつつ公転している。
二十四節季では、今年の「大暑」は7月22日に当たり、すでに過ぎている。8月7日には「立秋」をむかえる。旧暦を使っていたころの人たちは、肌感覚で季節の移り変わりを見極めていたのだろう。過去まれにみる記録的な暑さだと報じられているが、世間の騒ぎをよそに、地球は淡々と回っている。