太陽がまぶしかったから

2024年7月9日


暑い日がつづいているせいだろうか。強い日射しにやられ、どうもからだがだるく頭が朦朧としている。戸外で若い人と立ち話をしていて、仕事もせずに本だけ読んで毎日を過ごせたらいいなあと、およそ現実的でないことを口にしてしまった。その人が最近読んだ本について熱をこめて語ってくれるので、こちらもそれに応じていろいろ思っていることを述べているうちに、そんな夢想が口をついて出たのである。相手が本好きだから、そんな無茶も言えるのだろう。

しかし、私の口にしたことは無謀な願望なのだろうかと後から考えた。いや、そんなことはないだろう。少し踏み出す勇気があれば、できないことはないのではないか。たとえば書評家であれば一日中本を読んでいるのではないか。それが仕事なのだから。そうか本を読むことを仕事にしてしまえばいいのだ。でも、仕事だと思うと読む楽しみは半減するのではないか。なにしろ仕事なのだから。無為に読むのがいい。何のためでもなく、ただ読む喜びだけを求めて。

そんなことをぼんやり考えているのは、やはり暑さにやられたせいだろう。

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