会話

2021年5月21日



 性同士の会話のモードというものがある。久々に出た会合で、こういうものだったよな、という忘れていた雰囲気に触れる。そんなつもりは本人たちにはなくても、結果として「仲間意識」の確認で終わってしまうことがよくあるのがこの種の会合の特徴ではないだろうか。仲間意識は酒が入ると加速する。隣り合う人からタバコの火をもらうだけで「絆」が深まる場合もあるのだから、「酒」と「タバコ」は仲間意識強化に最適の道具だといえよう。どちらも嗜まない私はその流れから自然に外れていく。

 複数の女性同士の会話にたまたま入る機会があった。なんとなく場の雰囲気が重い。ひとりだけの「男性」である私も居心地が悪い。おそらく私がいなければ会話が弾むのだろうと思いながら、無言のまま話を聞いている。

 では、男性と女性のバランスがとれた会合であればいいのかというと、そうともいえない。そこは相手の性別を意識した発言の場になりがちな印象だ。おたがいにどこか無理をして飾っている部分が垣間見える。

 性別にこだわらない、親密的な、第三の会話のありかたがないものかと思う(もちろんある。「あなた」と「わたし」という一対一の関係をつくること。恋人同士? それ以外には?)。

 


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