「一日のうち、8時間働いて、8時間は睡眠や家事、残りの8時間を自分の時間として使うことができる」と私の友人はかつて言っていた。
事はそんな単純ではないかもしれないが、自由に使える時間は8時間(一日の三分の一)もあるのだという考え方は魅力的だ。
経済・経営的な発想の根幹にある時間の〈有効的・効率的〉使い方は、そのとおりにすれば利益(時間=お金)が得られると迫られるようで息苦しくなる。
目的のために時間を分単位で刻んで割り振るのではなくて、時間をおおまかに分けることで、逆に時間のありがたさが感じられる。時間とともに生き、時間をことほぐ姿勢がうかがえないだろうか。この「時間」の積み重ねが私たちの目指す「人生」であってほしいと切に願う。
自分には時間がないと私などはつい思いがちだが、それは傲岸な思い込みと言うべきだろう。8時間はだれにでも平等にあたえられているのだから。