遅れてくることば

2020年1月11日

ことば





「なにかを語るための言葉は、つねに遅れてやってくる。」
(堀江敏幸)

 すでに起こった出来事や目の前に生起しつつある事態を、「ことば」で形にするのは容易でない。たとえ、ことばにできたとしても、それがほんとうに自分の感じたことなのか、伝えたいことなのか、考えていることなのか、心もとなくならないだろうか。
 私たちはなんのために書くのか、語るのか。
 自分の書いた「遅れてくる」ことばに対して、これは自分が書いたものかと、不思議な思いで眺めることがままある。


                                    

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