豊かさがわからない

2026年10月30日


 いつも不思議に思っていることがある。日本はほんとうに豊かな国なのだろうか。

 お金はありそうだ。しかし、どうも物の価値と釣り合っているような気がしない。

 ほんとうに豊かであるならば、海の幸、山の幸、お米などはもっと安価で食べることができるのではないだろうか。

 ある時期から、買い物をすると、値段は以前と変わらないが中身が減らされているというのも当然のようになってきた。

 しかし、日経平均株価は上昇しているし、世の中景気は良いらしいのだ。実際の生活とかけ離れたこの現象は実に不気味である。

 午前中、日射しもそれほどきつくなかったので、路地を散策する。私の前方を年配の女性がゆっくり歩いている。私は周囲の建物や風景を眺めながら道草をして歩くので、女性との距離は縮まらない。と、女性が立ち止まり、建物の駐車場に向かう。花が咲き誇っていたので、それに手を伸ばしたように見えたが、実際は資源ゴミとして出されていた空き缶やペットボトルを集めようとしていたのである。後ろから来る私を気にしているようだったので、私は会釈をせずにそのまま通りすぎた。

 身なりもきちんとしていて、とてもお金に困っているようには見えなかったので意外な気がした。

 その出来事に遭遇して、想像以上にひどい事態がこの社会では進行しつつあるのかもしれない、とふと思った。


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